出流山・満願寺(奥の院)
奥の院の老朽化により参拝者の立ち入りが危険な為、建替え新築工事を行うことが決まりました。
【現状写真】
【現状写真】階段も腐っていて、いつ崩れるかわかりません。
【現状写真】架台柱は、途中で折れているところを鉄板で補給してあります。
工事を始める前に、まず本堂で工事の無事を拝んで頂きました。
解体工事が始まりました。
仕口の部分は、ほとんど腐っていました。
奥の院が建っているのは、絶壁の崖の部分なので足場を掛けるのにも苦労したようです。
工務店に材木(桧)が続々と搬入されてきました。
昔の梁に彫られていた彫刻を新規に彫りこまなければならないので解体した梁を回収してきて、彫刻士の人に見てもらいます。
桧の材料に、墨付けをしているところです。
墨付けが終わって、刻みの作業が始まりました。
刻みが終わった材料には、クリアーの防腐剤を塗ります。
材木屋さんに手伝ってもらって、架台の材料を現場まで運びます。
新しい基礎が崖の岩の上に造られました。
基礎の上に、柱を立て架台梁を組みます。
梁が組み終わったら、その上に敷桁を敷いて床を造ります。
梁や通しヌキなどには、できるだけ釘や金物を使用せず。木で出来たクサビを使って止めています。
床が張り終わったら。今度は、お堂の土台を床の上に設置して柱を立てます。
鍾乳洞への入口部分の梁には、彫刻をほどこして飾り付けています。
セガイ造りに、梁を組んだらその上に束を立てて、母屋を組みます。
化粧垂木を軒先部分に設置します。
垂木や破風等は、すべて桧を使用しています。
天井板は、ムク材の一枚板を使用しています。
屋根の板金が葺き終わりました。
内壁(桧板)が張れました。
幕板は、ムク材の一枚板を削って化粧にして使用しています。
床板と鍾乳洞入口の彫刻が施されている化粧梁以外は、朱色に塗装しました。
外廻りも架台を残して、すべて朱色に塗装しました。
鍾乳洞の入口部分に、新たに木で手摺を造りました。
鍾乳洞の奥には、長い年月を経て創られた鍾乳石があります。
建物の重みを受ける架台は、腐食を避ける為に釘や金物などは使用せず木クサビで結合しています。
完成写真
この奥の院は、山の絶壁に建っています。
完成を記念して、工務店メンバーで記念撮影を撮りました。