大工たちは木を選び、加工し、木の特性を最大限に引き出し、家を造ります。大工は、いろいろな木の性格を知り、その木の性格を見て1本1本墨付け(木を加工する線)を入れ、仕口を緩みなく引き勝手(重みが増すとどんどん絞まる)に加工します。
これらの手法はプレカット工場では出来ないので、当社では、墨付けから加工、造作まで当社の従業員で一生懸命、家を造ります。
「木」にこだわり、伝統的な大工の技術にこだわり続けて行きたい。
木は、比重が軽く、その上強度が高いので高温多湿の日本では開口を大きく設け、風通しの良い構造(在来工法)が造れるので、日本古来の住宅が造れます。
【自然乾燥の理由】
・年輪の細い木は、強度が高いので同じ大きさの材料でも力があります。
(人工乾燥材は、年輪が荒くないと乾燥しにくい為、年輪の少ない、早く育った木を使います)
・50年~100年をかけ強度が増す。木は生き続ける。
(人工乾燥は、強制的に熱をかけて、乾燥するので木が焼けてしまいます。木が死んでしまいます)
・反りに強い。(粘りがあります)
(人工乾燥材や集成材は加工していると粘りがなく、折れやすく感じます。しかし、自然乾燥させた木は、粘りがあり、折れにくい)
道具にこだわる理由
木を加工する時に大工は、さまざまな道具を使います。大工は、道具をとても大切にします。
なぜなら、1つの道具に何十年と刃先に魂を込めて研ぎだすからです。
・鉋(かんな)
大工は木の仕上がりを美しくする為に鉋を使います。
鉋は、日頃の手入れが大切です。刃先は常に研ぎだしておき、また、木の鉋は狂いやすく、刃先を使っているうちに擦り減っていくので、鉋台も常に調節しておく必要があります。
・鑿(のみ)
木組みをする柱や梁などの部材に加工する上で欠かせない道具が鑿です。
鑿の刃先が良く研ぎ出していないと、ほぞ孔を掘ったり、凹凸の加工をする時に木の繊維を押し潰してしまいます。
きれいな加工をするためには、刃先を良く研ぎ出さなければなりません。
・釿(ちょうな)
柱や梁などの荒削り、荒加工をする道具です。
近年の木造建築では柱や梁が角材を使用するための釿の出番が少なくなっています。今でも丸い梁(太鼓梁)を使用する時にはかかせない道具です。
・鋸(のこぎり)
木材を切断する道具です。近年では、電動式丸ノコや卓上式丸ノコなどの使用が増えています。しかし、和室の鴨居や敷居を切断する時、和室の柱材はムク材を使用するので数ミリのねじれや反りが生じます。そのねじれや反りに合わせて切断するには、電動式丸ノコや卓上式丸ノコでは合わせられません。そこで大工は、ねじれや反りに合わせて手鋸で切断します。
光(太陽)と風(空気)を設計する
・光(太陽)と風(空気)を、家に入れるためにどうするかを考ます。
・光(太陽)は南から取り入れると思いがちですが、北からの光も大切です。北の光は直射日光とは違う、安定した明るさを与えてくれます。東からの光は、毎日一番早く太陽光を浴びせてくれます。ぜひ、毎朝太陽の光を浴びながら朝食を取り、体内時計をリセットしてください。
・南からの光は、家の中を一番明るくしてくれます。近年のツーバイフォー住宅やローコスト住宅を見てみると、南側のサッシの開口が従来の住宅よりも狭くなっています。南の光で家の中を明るくしましょう。
・西の光はいわゆる「西日」といってきらわれています。また、西風の強い北関東では、西の窓を小さくします。しかし、間取りの西北の部屋で暗くなる所では、西窓の光はとても有効です。
・風(空気)
設計をする時、必ず風の流れを考えます。近年の住宅を見ると南や東側に開口取り、光は入りますが、風が入りません。なぜなら、風の出口がないのです。北側の窓が小さいのが理由です。風(空気)をいつもきれいにするには窓を開けて、風を入れ替えてください。